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概要

従来の固体による光学特性が固定されたレンズを用いて焦点移動を実現するには,2つ以上のレンズを協調動作させる必要がある.焦点距離を変えるため機械的に固体レンズを動かす代わりに,可変焦点レンズは単一レンズで焦点距離を動的に制御することが可能である.液体を充満させた可変焦点レンズは,曲率の変化する屈折面の物理的変形に基づき動作する.例として液気レンズは高い応答速度と高い光学特性を持つが,この種のレンズは口径が大きくなった際に,垂直に立てると重力の影響によりレンズ特性が非対称的に変化してしまう.一方,2種類の混ざらない液体間の界面もレンズの屈折面の役割を果たすことができ,その界面形状は流動的圧力やエレクトロウェッティング,誘電泳動効果によって制御可能である.しかしながら,高い光学特性を維持するには,口径は物理的限界である毛管長よりはるかに小さくする必要がある.したがって,液液レンズの口径は常にミリメートルの大きさとなってしまい,液体を封入した大口径レンズはいまだに未解決の問題となっている.
我々は新しい大口径可変焦点レンズを提案し,試作レンズを構築した.2つのチャンバーに2種類の異なる液体を封入しており,理想的な液体の組み合わせは同一密度だが異なる屈折率を持つものである.面内に均質な荷重力を分布させた膜を利用し,膜のゆがみは円形境界条件である円形のリングで制限され,変形する界面は2種類の液体の屈折率の比によって屈折面として作用することとなる.片方の液体を自由にチャンバー内に出入させ,もう片方の液体を固定することで,シリンジポンプを使ってレンズの屈折力の正負を動的に変化させることができる.

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試作した大口径可変焦点レンズの写真

上記の発想に基づき,直径26mmの大口径の可変焦点レンズを試作した.なお,更に口径を大きくすることに関して技術的問題は無い.焦点距離として[-∞ -150mm]と[150mm ∞]の範囲が可能であることを示し,最小F/5まで達成可能である.

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薄型の可変焦点レンズ

メガネ用のレンズや、アダプテイブ光学には使用可能なプラスチック製可変焦点レンズでした.開口直径30ミリ、焦点調整[-1.88, 1.42] Diopter.厚み5.5ミリ、重さ30.7g.

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「ビデオ」 Optics revolution: variable focus lens with large aperture

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